地域包括ケアシステムとは何?課題や問題点について簡単に説明!

こんにちは。メディカルローグ株式会社です。

みなさんは、病気や体の調子の問題で、今住んでいる地域から離れて暮らさなくてはならないとしたらどう思いますか?

現在、日本では高齢者が住み慣れた地域で生活ができるように「地域包括ケアシステム」という仕組みを導入し、地域での暮らしをサポートしています。

地域包括ケアシステムが導入されたのは最近のことでまだまだ一般の方々には浸透しておらず、課題や問題点もあります。

今回のブログでは地域包括ケアシステムとはどのようなものか、そしてその課題や問題点についても紹介します。

また、医療や介護を勉強中の方がわからなくなってしまいがちな、地域包括ケアシステムと地域医療連携の違いも簡単に説明します。

ぜひチェックしてみてくださいね。

 

地域包括ケアシステムとは何か?

地域包括ケアシステムといっても、日常生活では聞き馴染みがなく、具体的にわかりにくいですよね。

まず最初に地域包括ケアシステムがどんなものかを見ていきましょう。

地域で、一体的に(包括)、ケアするシステム

地域包括ケアシステムとは、高齢者の方が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを送ることができるように「住まい」・「医療」・「介護」・「予防」・「生活支援」が一体となって提供される仕組み(システム)のことです。

ここでいう「地域」とは、自宅から30分圏内のところで、日常生活が行われる程度の範囲のことです。

(画像引用:とやま地域包括ケアシステム http://toyama-chiikihoukatsu.net/about/

まさに「高齢者を、高齢者が住み慣れた地域で、一体的に(包括)、ケアするシステム」が地域包括ケアシステムなのです。

地域包括ケアシステムを構成する5つの要素

地域包括ケアシステムには「5つの構成要素」があります。

それは、先ほど述べた「住まい」・「医療」・「介護」・「予防」・「生活支援」のことです。

一つずつ見ていきましょう。

(画像引用:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムと地域マネジメント」(地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、平成27年度厚生労働省老人保健健康増進等事業、2016年)

・住まい

「住まい」は、生活の基盤になる土台のようなものです。本人の経済面、プライバシー面を考慮して希望に沿った住まいを確保する必要があります。個人が所有している持ち家、集合住宅、特別養護老人ホームなどの介護施設など居住形態を問わず、その人に合った生活ができるようにサポートすることは地域包括ケアシステムの非常に大事な要素です。

・予防

「予防」は主に介護予防のことです。できる限り介護が必要な状態を少なくし、いつまでも元気でいられるように体操教室や認知症予防教室、レクレーションを行ったりします。健康づくりはもちろんのこと、地域の参加者とのつながりや保健師、区役所の社員とも交流ができ、困りごとなどの相談にものってもらうことができます。

・生活支援

「生活支援」は自立した日常生活のサポートを行うことです。家事援助や配食サービスの他に、地域のコミュニティの場を提供する活動もしています。

・介護

「介護」は介護サービス全般のことです。医療に依存した生活をなるべく減らしていくためにも介護は重要です。今後は高齢化を踏まえて24時間体制の在宅介護や介護施設を充実させることが必要となってきます。

・医療

「医療」は医療サービス全般のことです。特に地域包括ケアシステムにおいては自分の住まいで医療を受け、最後をむかえられる在宅医療が重要となります。また、地域の医療を担う診療所のかかりつけ医を持つことも大切です。

地域包括ケアシステムではこれらを密に連携しながら行っており、高齢者の地域での生活を支援しています。どんな医療機関も介護施設も、地域包括ケアシステムの一員なのです。

地域包括ケアシステムと地域医療連携の違いは?

地域包括ケアシステムが、高齢者が住み慣れた地域で一体的に生活や医療・介護等をケアするシステムであることはわかりましたが、同じく地域という言葉のつく「地域医療連携」とは何が違うのでしょうか。

地域医療連携は、地域の医療機関がそれぞれ持っている医療機能や専門性を活かして役割を分担し、医療機関同士が協力をして連携を図り、その地域で患者さんに適切な医療を提供することです。

地域包括ケアシステムは様々なところと連携して高齢者が住み慣れた地域での暮らしを提供していますが、地域医療連携では医療機関同士が連携して患者(年齢関係なし)が暮らす地域で治療を提供しています。

連携するところや対象者、提供するものが異なります。

→地域医療連携について詳しくはコチラ

 

地域包括ケアの課題や問題点は?

地域包括ケアシステムによって高齢者が住み慣れた地域で暮らすことができるのはとてもいいことです。しかし、このシステムにも課題や問題点はあります。どんなものがあるのか見ていきましょう。

医療や介護の担い手が不十分

高齢化に伴って高齢者の割合が増えている中、医療職や介護職の担い手が少ないことが問題となっています。厚労省の資料*¹によると特に訪問介護分野の人手不足があり、採用が困難であるという結果が出ています。また、訪問介護に限らず、介護事業の賃金が少ないことや仕事内容が3K(きつい、汚い、危険)であることの理由から担い手不足になっています。地方や島といった若い人が少ない地域は、市街地の地域に比べて人材が少ないので人手不足になっています。

医療と介護の連携

医療機関同士でも連携にタイムラグがあるなど課題がある中、医療と介護となるとより連携が滞ることがあります。特に高齢者の方に在宅医療を行う場合は介護情報などが必要になりますので、できる限り迅速に情報交換を行うことが大切です。

→地域医療連携の課題はコチラ

→地域医療連携におけるケアマネの役割はコチラ

地域包括ケアシステムが地域によって異なる

地域包括ケアシステムは理念こそあるものの、実際にこのシステムを構築するのは各市町村です。これは、地域で暮らす高齢者のためのシステムであるためその地域の特性に基づいて作り上げる必要があります。それゆえに、各市町村の財政やマンパワーなどによってシステム構築の程度に差が生じます。システムをうまく構築できていない地域は、まず理念に基づいた指標作りが重要になります。

地域包括ケアシステムが住民に知られていない・協力を得られにくい

多くの住民が地域包括ケアシステムの存在、またそれが何であるかを知る機会がなく、なかなか協力を得られていません。また、最近は近所との繋がりが希薄になっている傾向もあり、近所での声かけや見守りが十分でないことも問題となっています。今後は地域包括ケアシステムの存在を周知していくこと、さらには近所で助け合うことの大切さを知ってもらうことが必要となるでしょう。

地域包括ケアシステムの対象が法的に高齢者のみ

地域包括ケアシステムの対象は法的に65歳以上の高齢者とされています。しかし実際には、65歳以下で医療と介護を必要としている方もいますし、生活支援や近所の見守りを必要とする方もいます。一部の地域では年齢関係なく地域包括ケアシステムを構築している実例があります。神奈川県藤沢市の「藤沢型地域包括ケアシステム」などは良い例でしょう。(https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/koreifu/fujisawagata/fujisawagata_care.html

包括ケアを必要としている方に適切にサービスが施されるよう、年齢関係なくシステム構築されるのが理想です。

 

まとめ

今回は地域包括ケアシステムとはどのようなものか、またその課題や問題点などをご紹介しました。

いかがだったでしょうか。地域包括ケアシステムは高齢者の方が住み慣れた地域で暮らせるためのシステムであり「地域で暮らしていくこと」をサポートしてくれます。

地域包括ケアシステムができてまだ年月は浅く、課題や問題点もたくさんありますが、この考え方やシステムが浸透することで住民がより暮らしやすい地域を作り上げることができると思っています。

 

メディカルローグでは地域医療連携をサポートするWEBシステム『Zin』を運営しています。ご興味のある方はお問い合わせください。

『Zin』→ https://www.zin-mdl.com/web/

お問い合わせ → https://m-d-l.co.jp/contact/

 

【参考文献】

1.厚生労働省 『介護保険事業状況報告の概要(平成30年10月暫定版)』

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/00034994.pdf

2.厚生労働省 地域包括ケアシステム

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

3.二木 立(2019)『日本の地域包括ケアの事実・論点と最新の政策動向』,日本福祉大学社会福祉論集 第140号, 日本福祉大学社会福祉学部

https://nfu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3175&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

4.地域包括ケア推進に向けた総合的な自治体職員研修・支援体制に関する調査研究検討委員会(2017)『地域包括ケアシステムに関する30のQuestions(第1版)』株式会社富士通総研

http://www.fujitsu.com/downloads/JP/group/fri/report/elderly-health/2016chiikihoukatsucare3.pdf

 

 

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