地域包括ケア病棟とは?難しい施設基準や対象患者についてわかりやすく説明!

こんにちは。メディカルローグ株式会社です。

前々回のブログで地域包括ケアシステムについて説明しましたが、どんなものか理解していただけたでしょうか?

→まだの方は是非コチラをご覧になられてから、この記事を読むとより一層理解が深まると思います。

今回はそんな地域包括ケアシステムを支える病棟である「地域包括ケア病棟」について取り上げていきます。

実際に入院したり、働いたりすることがないとわからない地域包括ケア病棟の施設基準や受入れ対象患者についてわかりやすく説明していますので、ぜひご覧ください。

(※投稿日時点の点数や施設基準、受入れ対象患者の決まりに基づいて説明していきます。改訂されたらこの通りではありませんのでご了承ください。)

 

地域包括ケア病棟とはなに?

みなさんは地域包括ケア病棟を知っていますか?

その名前の通り、地域包括ケアシステムを支えるために設置された病棟のことです。

株式会社日本アルトマークの調査*¹によると、2018年11月時点で地域包括ケア病床の届出をしていた病院が全国で2,309病院あるということがわかりました。

1年前と比べると267病院も増えていたそうです。

こうして広がりをみせている地域包括ケア病棟ですが、どのようなところなのか見ていきましょう。

地域包括ケア病棟とは?

急性期治療を終えた患者さんは、通常すぐに退院する必要があります。しかし、中には在宅療養に不安がある等の理由で在宅復帰支援を必要とする方がいます。こうした方々が在宅療養までの間、医療や支援を受けることのできるのが地域包括ケア病棟です。また、すでに在宅療養を行っている患者さんの緊急入院の受け入れをする病棟としても機能しています。

対象患者さんは?

具体的にどんな患者さんが受け入れの対象となるのかをみていきましょう。

 

・急性期治療は終わったが、しばらく経過観察が必要な人

・在宅療養復帰・社会復帰にリハビリテーションが必要な人

・在宅復帰のために療養準備が必要な人

・在宅・介護施設等で療養してる人で症状が急性増悪した人や、集中治療の必要はないが入院が必要な人

・レスパイト(介護をする人の事情で短期的に入院すること)が必要な人

 

このように、退院後に在宅療養になる人はもちろんのこと、入院前に在宅療養をしている人や、対象患者の介護者の事情等によって地域包括ケア病棟に入院する場合があります。

地域包括ケア病棟の施設基準は?

地域包括ケア病棟はどんな機能を果たし、どんな患者さんがいるかわかりましたが、地域包括ケア病棟を立ち上げるためにはどのような条件をクリアしなくてはならないのでしょうか。

施設基準はとても難しく書かれていてわかりにくいですが、ここでは簡単に説明していきます。

さっそくチェックしていきましょう。

地域包括ケア病棟の通則の施設基準

地域包括ケア病棟を立ち上げて入院料を算定するためには、各病院が必ずクリアしなくてはならない条件があります。

それは、「基本診療料の施設基準等に関する告示・通知」の「特定入院料の施設基準等」の「第12」に記載があります。

本文はとても長く全てをご紹介できませんが、そこには簡単に要約すると以下の内容が書かれています。

 

①地域包括ケア病棟は、1日に患者さん13人に対して看護職員1人以上配置されている必要があります。夜勤の看護職員は、2人以上配置しましょう。また、看護職員のうち7割以上が看護師でないといけません。

②以下のどちらか一方に該当する必要があります。

ⅰ.一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰの基準を満たす患者を1割以上入院させる病棟又は病室

Ⅱ.診療内容のデータを適切に提供できる体制が整っていて、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅱの基準を満たす患者を0.8割以上入院させる病棟または病室

③医療機関に在宅復帰支援担当者が配置されてないといけません。また、病棟に常勤の理学療法士、作業療法士または言語聴覚士のいずれか1名以上配置されてなければいけません。

データ提出加算(後日加算についてのブログでご説明します)を届出している必要があります。

特定機能病院以外の病院でないといけません。

⑥心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料またはがん患者リハビリテーション料のどれか1つは届出てないといけません。

⑦⑥のリハビリテーションを行う患者さんには1日2単位(40分)以上のリハビリテーションを提供する必要があります。

⑧病室に隣接する廊下の幅は1.8m以上あることが望ましいです。ただし、両側に居室がある場合は、2.7m以上あることが望ましいです。

⑨病棟に適切に浴室やトイレを設けなければいけません。

⑩以下のいずれか1つを満たす必要があります。

ⅰ. 在宅療養支援病院

ⅱ. 直近1年間の在宅患者の受入れが3件以上あった在宅療養支援病院

ⅲ. 第2次救急医療機関

ⅳ. 救急病院

ⅴ. 訪問看護ステーションが病院と同じ敷地内に設置されていること

 

以上の10項目が地域包括ケア病棟の施設基準です。

地域包括ケア病棟の施設基準の本文を見ると非常に難しく書かれていますが、かみ砕いていくとこのような内容となっています。

これらの条件をクリアすることで地域包括ケア病棟と認めてもらうことができるのです。

地域包括ケア病棟入院料等の種類と点数

地域包括ケア病棟に入院した場合、ほとんどが「地域包括ケア病棟入院料」といわれる入院料を算定できます。

まずは、入院料の種類を見てみましょう。

地域包括ケア病棟入院料という費用の中には、大きくわけて「地域包括ケア病棟入院料」と「地域包括ケア入院医療管理料」という2種類があり、さらにそれぞれが4つに分かれています。

ひとことに地域包括ケア病棟入院料といっても、実は合計すると8つも種類があるのです!

ちなみにこれらは同時にいくつも算定することができませんので、それぞれの医療機関に合ったものを1つだけ算定することになります。

また、これらの点数には、入院基本料やリハビリテーション(摂食機能療法以外)に係る費用、薬剤料(一部を除く)、検査料、簡単な処置料などが含まれています。手術や麻酔、一部の薬剤料などは別に算定が可能です。

地域包括ケア病棟入院料各種の施設基準

地域包括ケア病棟入院料には8つの種類がありますが、点数が同じものもあれば異なるものもあります。

病院としてはできるだけ点数が高いものを算定したいと思いますが、もちろん高いものを算定するためには、病院も提供するものや施設の条件をより整える必要があります。

わかりやすく簡単に説明していきますので確認していきましょう。

 

地域包括ケア病棟入院料1の施設基準

退院患者の7割以上が在宅等に退院していないといけません。

②病室の床面積が、患者1人につき6.4平方メートル以上である必要があります。

200床未満の病床の保険医療機関でないといけません。

④当該病棟に入院した患者のうち、自宅等から入院した患者が1割以上でないといけません。

⑤当該病棟で自宅等からの救急入院患者の受入れが直近3か月間で3人以上でないといけません。

⑥以下のうち少なくとも2つは満たしておく必要があります。

ⅰ.当該病院で在宅患者訪問診療料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の算定回数が直近3か月間で20回以上

ⅱ.当該病院で在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料、または精神科訪問看護・指導料Ⅰの算定回数が直近3か月間で100回以上、または同じ敷地内にある訪問看護ステーションで、訪問看護基本療養費または精神科訪問看護基本療養費の算定回数が直近3か月前で500回以上

ⅲ.当該病院で開放型病院共同指導料(Ⅰ)または(Ⅱ)の算定回数が直近3か月間で10回以上

ⅳ.当該病院と同じ敷地内に訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、介護予防訪問看護または介護予防訪問リハビリテーションの事業所があること

⑦看取りに関する方針を決めている必要があります。

病棟単位で行う必要があります。

 

以上が地域包括ケア病棟入院料1(以下、入院料1)の施設基準です。

では、同じ点数で名前の違う地域包括ケア入院医療管理料はどうでしょうか。

 

地域包括ケア入院医療管理料1の施設基準

退院患者の7割以上が在宅等に退院していないといけません。

②当該病棟に入院した患者のうち、自宅等から入院した患者が1割以上でないといけません。ただし、病室が10床未満の場合は、前3月で3人以上受け入れていればよいです。

③当該病棟で自宅等からの救急入院患者の受入れが直近3か月間で3人以上でないといけません。

病室単位で行う必要があります。

⑤上記の入院料1の②、③、⑥及び⑦も満たす必要があります。

 

地域包括ケア入院医療管理料1(以下、管理料1)も入院料1と似ていますが、入院料は「病棟」で行われるものに対して、管理料は「病室」で行われるものに対して算定するという大きな違いがあります。これは、入院料を算定するためには病棟全体が地域包括ケア病棟でないといけないのに対して、管理料は病棟の一部の病床が地域包括ケア病棟としての機能があればいいということです。

では、他の入院料もどんどん見ていきましょう。

 

地域包括ケア病棟入院料2の施設基準

①病棟単位で行う必要があります。

②上記した「入院料1」の①、②の条件も満たす必要があります。

 

地域包括ケア入院医療管理料2の施設基準

①病室単位で行われる必要があります。

②上記した「入院料1」の②と③と「管理料1」の①の条件も満たす必要があります。

 

地域包括ケア病棟入院料3の施設基準

①病棟単位で行われている必要があります。

②上記した「入院料1」の③から⑦の条件を満たす必要があります。

 

地域包括ケア入院医療管理料3の施設基準

①病室単位で行われる必要があります

②上記した「入院料1」の③と⑥と⑦、「管理料1」の②、③の条件を満たす必要があります。

 

地域包括ケア病棟入院料4の施設基準

①病棟単位で行われる必要があります。

 

地域包括ケア入院医療管理料4の施設基準

①病室単位で行われる必要があります。

②上記した「入院料1」の③の条件を満たす必要があります。

 

こうしてみてみると、「地域包括ケア入院医療管理料」は200床未満であることが必須であることもわかります。

やはり点数が低いほど、施設基準のハードルも低いことがわかりますね。

そして、施設基準とは別に、これらの地域包括ケア病棟入院料を算定する場合は、患者さんが地域包括ケア病棟に入院して7日以内に病状や治療計画、推定入院期間を文書にして患者さんに交付する必要があります。また、その写しをカルテに控えておくことも必要です。

さらに、患者さんが地域包括ケア病棟を退室した場合は、退室した先をカルテに記載しなくてはいけません。

今回は簡単に説明したので、詳しいことは本ブログの説明を踏まえて算定本や施設基準の本などを読んでみてください。

まとめ

今回は地域包括ケア病棟とはどのようなものか、また、施設基準や対象患者についても可能な限りかみ砕いて説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

地域包括ケア病棟を確立するためには様々な条件があり、それに係る入院料も点数が大きいだけに整えることが多くあります。しかしその分、十分な医療サービスが可能になっていることも事実です。

まだ、これらの地域包括ケア病棟入院料には特別な医療サービスや医療体制を評価した加算がつきます。

次回は、地域包括ケア病棟入院料の加算について説明したいと思います。

 

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【参考文献】

1.株式会社日本アルトマーク(2019)「【病院調査】地域包括ケア病床 全国で2,309病院79,179床」

< https://www.ultmarc.co.jp/notice/2019/1190551_2047.html > (参照2019-8-20)

2.鈴木俊一(2018)「医科点数表の解釈 平成30年4月版」社会保険研究所

3.株式会社日医工医業経営研究所(2014)「(MPI診療報酬点数解説)「地域包括ケア病棟入院料」「地域包括ケア入院医療管理料」」

https://www.nichiiko.co.jp/stu-ge/phplib/s_getdoc_mpi.php?member=&filepath=381chiikihoukatsukeabyoutounyuinryou.pdf>(参照 2019-8-26)

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