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『ResearchKit』でアプリ開発! 3ステップでカンタン解説!
2019.07.24

 

こんにちは、メディカルローグ株式会社の小川です。

 

・被験者の生活習慣や気分など多様なビッグデータを集めたい!

・もっと多くの被験者に自身の医学研究へ参加して欲しい!

・アプリを用いた新しい研究方法で医学研究に興味がある!

 

そんな想いが少しでもある方のために、今回はApple社が開発したResearchKitについてご紹介したいと思います。

 

突然ですが皆さん! ResearchKitがどんなものかご存知でしょうか?

ResearchKitはアプリの様なロゴがあるためアプリと間違えられることが多いのですが、ResearchKit自体は実はアプリでは無く、医学研究アプリを“開発するためのツール”なのです。

 

昨今、医療業界では「医療×IoT」というテーマが盛り上がっており、中でも医学研究にアプリを用いる新しい研究手法が注目を集めています。

 

今回このブログでは、医学研究アプリの中で代表的な開発手法である『ResearchKit』について、「ResearchKitの概要」「ResearchKitのメリット」「ResearchKit開発について」の3点をメインにご紹介していきたいと思います。

このブログが”ご自身の医学研究にアプリを活用することの有効性を考えるきっかけ”になれれば幸いです。

 

 

Contents

ResearchKit アプリの概要

上の画像は、2018年7月までに日本国内でリリースされた16個のResearchKitです。多くの大学病院や企業がResearchKitを用いたアプリの共同開発に乗り出しています。なんと米国では267個のResearchKitアプリが開発されています。日本でも医学研究にResearchKitアプリを用いた研究がこれまで以上に多くなることが予想されます。

 

ResearchKitアプリとは

ResearchKitとは、Apple社が開発したオープンソースのフレームワークです。簡単に言うと、誰にでも無償かつ開発しやすいように作られたプログラムのテンプレート集のようなものです。

 

ResearchKitが開発された目的は、医療従事者の方々の医学研究をサポートするためです。

 

Apple社は「誰でも自由に利用できるソースコード(オープンソース)」としてResearchKitを開発し、2015年12月から提供が始まりました。ResearchKitはゼロからプログラミングをすることなく、最初から調査に必要な質問パターンなどが組み込まれており、医療従事者でも医学研究のためのアプリを開発しやすいように設計がされています。

 

また、ResearchKitを用いて開発された医学研究アプリの最大の特徴は、iOSアプリということです。つまり世界中のiPhoneユーザーにダウンロードして使用してもらうことが可能なため被験者を集めやすいという特徴があります。

 

さらにiPhoneに最初からインストールされているHealthkitアプリを介して、ユーザーの日常生活からデータを収集することが可能となります。それにより、医学研究の幅は大きく広がり、収集できるデータもより多様になるというメリットがあります。

 

※「いたみノート」より抜粋。開発医師:順天堂大学医学部附属練馬病院 メンタルクリニック 臼井医師

 

ResearchKit を用いた医学研究アプリの可能性

どのような医学研究にも通底している問題として、『より多くの研究対象となる被験者の確保』と『研究対象である被験者に関する情報の多様性(性別、年代、生活習慣etc)』の2点が挙げられます。

 

一般的に医学研究は、いかに多様な被験者を多く集めて研究を行ったか、という点が評価の重要なエッセンスになります。しかしながら、従来の医学研究手法は、一部の被験者からしか情報を集められていないケースが多いです。(例えば、病院に受診している患者だけなど。)

 

また、他施設共同研究などで仮に多くの被験者集めに成功したとしても、それだけ多くの人が研究に関わり、さらには大量の被験者データの入力や解析などによって人件費や作業工程が増大してしまうケースが多く存在します。

 

上記の2つの問題を解決するための新しい手法が、ResearchKitを用いて開発された医学研究アプリで行う医学研究なのです。

 

次章ではResearchKitのメリットについてご説明します。

 

ResearchKit メリット

ResearchKitを用いたアプリは患者さんのスマートフォン上で行う、あたらしい医学研究です。アプリを使用することでこれまで以上に多くの被験者が研究に参加することが可能となります。さらに、被験者の多種多様なデータを集めることができるのです。

 

 

最小の労力で最大数の効力を

日本国内でiPhoneを所持している人数がおよそ何人いるかをご存知でしょうか?

 

日本はiPhoneユーザーが多いと言われていますが、実際にiPhoneを使っている人は国内でなんと4000万人もいるのです!この数字は日本のスマートフォンユーザーの実に4割とも言われています!※1

 

ResearchKitを使って開発した医学研究アプリを用いれば、日本国内で4000万人もの人たちを対象として、臨床研究への参加を募ることができるのです。

 

面白い実例として、過去に弊社が開発に携わった、順天堂大学医学部 総合診療科 藤林和俊 准教授の開発した『インフルレポート』のお話をご紹介します。

 

2015年に論文化されたインフルエンザの大規模臨床研究があるのですが、その研究では25施設63名の研究者が、収集された4,727名の被験者データの分析に当たったとされています。

それに対して、ResearchKitを用いて開発した医学研究アプリ『インフルレポート』を使用した臨床研究では、たった6名の研究者で、研究開始から半年間でなんと10,094名分の被験者のデータを収集することに成功したのです。

この事例はResearchKitによる医学研究アプリを活用することで、少ない人手ながらもスピーディに、大規模な調査研究が行えることが照明できた実例であると思います。

 

 

※1 出典

スマートフォン・シェアランキング(TOP10) | ソフトウェアテスト・第三者検証ならウェブレッジ

【最新版】2019年のスマホ普及率を年代・地域・年代別に大公開!まさにスマホオンリー時代!マーケティングがこれからどう変わるべきか予想してみた。

 

(補足・参考)

インフルレポート

順天堂大学医学部附属順天堂医院総合診療科 藤林和俊 准教授 が2016年11月2日にリリースしたResearchKitを用いたインフルエンザ研究アプリです。

2018年6月に研究結果が論文化され、「JMIR Mhealth Uhealth」に掲載されております。

 

 

被験者から多様な情報収拾が可能

ResearchKitを用いて開発する医学研究アプリはiPhoneのHealthKitと連動することでさらなる真価を発揮します。

HealthKitアプリはiPhoneに最初からインストールされている標準アプリですが、このアプリと連動させることで被験者の日々の生活習慣情報を取得することが可能になります。例えば、被験者の日々の歩行数などの運動量や睡眠時間、また血圧や体重も記録することが可能です。

 

また、ResearchKitを用いたアプリケーションではiPhoneのカメラ機能や、動画撮影機能、GPS機能や計測機能(AR機能)など多くの機能を使って被験者のオリジナルデータを取得することが可能となっております。

 

これにより、今まで取得することが困難とされていた被験者の日々の日常生活情報を取得することができるため、予防医療やセルフメディケーションに繋がる幅広い研究を行える可能性が出てきたのです。

 

 

 

ResearchKit 開発

開発はアプリで一番大事な部分と思われがちですが、開発と同等もしくはそれ以上に大事なのは開発までのプロセスとコミュニケーションレベルです。弊社は元医療機器営業や看護師など医療分野の幅広い知見を持ったスタッフが多く在籍しているため、医療現場に最大限の配慮をしながらアプリ開発をすすめていきます。

 

ResearchKit を用いた医学研究アプリの開発期間

 

ResearchKitを用いた医学研究アプリの開発は、クライアントである医師や医療機関に加え、Apple社、倫理委員会など関わる機関の数が多岐に渡ります。そのため、一つ一つのコミュニケーションの積み重ねが非常に重要となります。

 

弊社では、元看護師のディレクターをはじめ、医療業界に精通したスタッフが在籍しておりチーム一丸となって開発に臨みます。

 

開発のスケジュールについては上記の画像を参照。

① 0〜1ヶ月目【ヒアリング・企画】   ※ 打ち合わせ回数 2〜3回 (目安)

弊社のプロダクトマネージャーとデザイナーがクライアントからヒアリング調査を行い、アプリの大枠を設計します。その後、クライアントとの打ち合わせを重ね、アプリの概要と詳細を決めます。

②1〜2ヶ月【設計・コンテンツ】   ※ 打ち合わせ回数 2〜3回(目安)

アプリのフィードバック機能や使用するサーバーを細かく決めていき、要件定義と仕様書を作成していきます。次にアプリ内のデザインやテキストの構成と作成を行います。仕様決まり次第、医療機関様は研究計画書を倫理委員会に提出していただきます。

③ 2〜4ヶ月【開発】   ※ 打ち合わせ 適宜 訪問

倫理委員会から研究計画書が審査を通りましたら、弊社の開発部がアプリの開発をスタートします。開発期間の目安はだいたい2ヶ月となります。(開発するアプリの仕様によっては開発期間が前後する場合ございます)

④ 4〜6ヶ月目【実機テスト・アプリ申請・アプリ審査・リリース】   ※ 打ち合わせ 適宜 訪問

ベータ版のアプリが完成したのち、クライアント様や弊社開発部の間で実機を用いた動作確認などのシュミレーションを行い。アプリとして問題ない状態まで仕上げたのち、Apple社へアプリの申請を行います。アプリの審査はだいたい1ヶ月ほどかかります。

全ての工程が無事終わり、リリースへと到ります。

 

開発するアプリの内容にもよりますが、スタートからリリースまでおよそ半年ほどに渡る開発工程になります。

リリースするまでには様々な手はずを踏む必要がありますが、アプリがリリースされた時の高揚感は格別なものがあります。

もちろん、進め方や開発の手はずについては弊社で徹底的にフォローさせて頂きます。

 

 

 

開発費用

最後に、ResearchKitを用いたアプリケーションの開発費用についてお話をします。

 

ResearchKitを用いた医学研究アプリの開発に際して、

 

①アプリをリリースするまでのディレクション

②ロゴやイラストなどのアプリ内のデザイン

③アプリ内に実装する機能の開発

④サーバー構築およびデータ保持/出力

⑤テスト検証

⑥保守・メンテナンス(リリース後)

などの費用がかかります。

実際にクライアントの研究内容、集めたいデータの種類によって実装すべき機能が決定していくため、それにより開発費用は変動していきますが、全体の費用の目安としてはおおよそ500万円程になります。

 

まとめ

 

今回は、ResearchKitを用いた医学研究アプリに関することを「ResearchKitの概要」「ResearchKitのメリット」「ResearchKitの開発」の3つに分けて解説してきました。

ResearchKitを用いて医学研究アプリを開発することで、最小限の研究者で最大数の被験者収集が可能になると同時に、多様な被験者情報の取得が可能になるのです。

 

医学研究とその研究成果は全人類にとって大変重要なものであり、社会にとっての福音でもあります。これも全て先人の弛まぬ研究の礎とテクノロジーの進歩、そして未来のために日夜研究に励む医療従事者の方々の日々の研鑽による功績です。これからもメディカルローグ株式会社はアプリケーションというテクノロジーを用いて、医療従事者の方々の研究のサポートをしていきます。

医学研究にアプリの活用をご検討中の医療従事者または企業の方がいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせはコチラ

https://m-d-l.co.jp/contact/

 

メディカルローグの医学研究アプリ制作実績はコチラ

https://m-d-l.co.jp/product/

 

 

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