ヘルスケアアプリのデータはどのように取得(ダウンロード)するのが良いでしょうか。
使えるデータであるかわからないから、とりあえず全部取得してしまう?それとも・・・?
今回はヘルスケアアプリのデータ取得について考えてみます。
前回のiOS17アップデートの記事でも紹介したように、「ヘルスケアアプリで測定できるデータが、医学研究で使えるデータではないかもしれない」可能性があります。ではどのデータを取得するのがベストなのでしょうか。結論からいってしまうと「医学研究の目指すゴールに向かって、様々な角度から検討した必要なデータのみを取得」するのが良いでしょう。
この検討すべき「様々な角度」について紐解きます。
Contents
①研究対象者はどんな人でしょうか
研究対象者がどんな人になるのか、具体的に想像して取得を検討する必要があります。とりあえず取得できるデータは全部取得したい!という考えで動いてしまうと、使えないデータや今回は必要のないデータも含まれることになり、取得や精査にかかった時間とコストが無駄になってしまいます。
また、とりあえずで取得してしまったデータを保管する場所、保管方法なども確定しづらくなります。最終的にそこからデータを取り出す際に、また全てのデータを整理する必要が出てくる二度手間や、データ保管料などコストアップの要因になります。
②研究に必要な計測精度を考慮する
iPhoneの携帯方法や機種によっても、計測精度に差異があると思われます。例えば、6分間歩行はiPhoneをカバンに入れた状態では正しく計測できず、ポケットに携帯するか、Applewatchで計測する方が望ましいことがわかっています。さらにiPhoneとApplewatchで取得できるデータの数は異なり、iPhoneの方がより多くのデータを取得できます。このような計測精度を考慮した研究デザインが必要です。
③どの機器で計測したデータなのか
iOS17からiPadでもヘルスケアアプリが使えるようになります。そのためiPad、iPhone、Apple Watchで得られるすべての情報を一か所で見ることができ、詳しい情報を一目で確認できるようになります。またこれらのデータを取得できることにもなるため、どの機器で計測したデータであるのかについても、注意が必要になります。
このような角度から検討し取得するデータを精査しますが、データを取得してみないとわからない点や事前に活用イメージがしにくい部分もあるため、研究デザインに柔軟性を持たせることも必要です。
そして何より大切なことは「対象者に医学研究アプリを使ってもらう」工夫です。どんなに有意義な研究、優れた研究デザインであっても、対象者がアプリを使用してくれなければ研究は成立しません。そのためには、対象者がデータ連携について納得できる説明を行うことをはじめとし、毎日使ってもらうためにユーザー視点にたったUI/UXも大切です。当社ではこれらをノウハウとして蓄積しています。
ヘルスケアアプリでどんなデータが取れるのかなど、ぜひお問い合わせください。どのデータが取得できるか、当社の調査結果をご案内いたします。